日々の暮らし〜家を建てて分かる事〜1220
今年もあと11日となりました。
思えば自宅の引越からコロナ禍、ワクチン接種となかなか慌ただしい一年でした。
特に自宅を設計し建築するというのは、設計者にとってある種の実験に似たものです。
普段お施主様に偉そうに言っている割に、自分で体験している事は意外と少なく机上の勉強だけだと説得力にかける事も多いのです。
そこでなるべく、自分がやってみたかったことを取り入れて設計してみました。
例えばキッチンのレイアウトにしても、最終的に家の形に合わせてアイランド型にしましたが、当初奥さんから対面式のキッチンになれていたので違和感があると反対されました。
そこをなんとか動線一本のメリットで押し切って写真のような細長いレイアウトにしましたが、今では対面型のキッチンに比べて片付けが簡単なのでストレスフリーだと言ってもらっています。
逆にキッチンの上に作ったロフトは、下の娘がゴロゴロするスペースになっていますが思った程利用する機会が少なかったりします。
(梯子の上り下りがめんどくさい)
あとは建材にしても久しぶりにビニールクロス以外の珪藻土で塗装しましたが目地がない素材の美しさは改めて感度する事ができました。
(反面汚れ目立つ)
そしてホンモノの木の素材が如何に人間にとってリラックス効果があるか、日々体感しています。
家を建てて改めて感じたるのは、余白が大事な事です。
ちょっとした中庭や窓のない大きな壁、小さい窓など図面だけ眺めるとあまり分かりませんが、実際に家ができるとこういう一見無駄に思えるような部分に魅力ができます。
機能性や効率だけを重視するとこういう部分が欠けてしまうんですね。
こういう部分はなかなか伝えるのが難しかったりするので、来年は施主様が知らない間に余白を沢山入れていきたいと考えています(笑)
できあがってから喜んで貰うのも設計の楽しみのひとつです。