日々の暮らし〜建築家はどうやって住宅の設計をするのか〜0120 - 住間居sumai(すまい)

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日々の暮らし〜建築家はどうやって住宅の設計をするのか〜0120

カテゴリ: コラム 作成日:2022年01月20日(木)

設計を生業としてやっていますが、どんな風に考えて設計しているのかは一般の方の素朴な疑問かもしれません。

もしかしたら、簡単な手順ですがこれから家を建てようとする方の参考になるかもしれないので記事にしました。

まず敷地があり、クライエントからの要望があれば以下の手順で考えていきます。


①敷地の法的規制を調べる

  都市計画によって建蔽率や容積率、建物高さや用途に制限があるので、それを守らないと違反建築になります。

 

②予算と家の中身で全体のボリュームを検討する

  いくら素晴らしい家を設計しても予算をオーバーすると実現できません。

 

③家のテーマを考える

  いくら要望を満たしても魅力がない家になってしまうので、敷地の眺望やクライエントさんの生活スタイルなどポイントになるものを決めます。

  その家の特徴を考えるので一番大事なプロセス。

 

④敷地図にガレージやアプローチなど外部の配置をする

  いきなり家の中を考え出すと、ガレージなどのスペースが無くなったりします。

  駆け出しの設計者がやりがち。

 

⑤家のデザインを考える

  いくら家の中がよくても、外見が悪いとがっかりです。

  中から考えていくと外観がとんでもなくなることが多い。

  駆け出しの設計者がやりがち。

 

⑥家の中のゾーニングをする

  やっと間取りに入ります。動線やLDK、寝室などの配置を考えます。

 

⑦間仕切りや設備など配置します。

  こまかい部屋の大きさや廊下階段などですね。


ざっと簡単な流れですが、一軒の家の設計には最低限これだけのプロセスが必要になります。

細かい製図に入るのは⑦からなので、それまではスケッチだったり頭の中で考えています。

 

たまにクライアントさんが考えた間取りを渡されて設計する場合もありますが、いきなり⑥から入って作ったプランなので①の法規制に合わなかったりボリューム的に難しかったりと実現できない事が多いのです。

 

なので結局①から考え直す事になるので設計事務所に依頼する場合はあまり自分でプランは作らず、要望だけをしっかり伝える方が賢明です。

 

正直云って、物理的な要望(部屋数やゾーニングなど)は落とし込むだけなのでそれ程難しいものでは無いのです。

それよりも設計事務所にプランを依頼してもらう場合は、それに何かをプラスしないと価値がないと考えているので、それが何かを見つけるのに時間がかかります。

 

このあたりが一番難しい部分でもあり楽しい部分でもあります。

 

クライアントさんが完成した物件を見て驚いたり、生活をして初めて気が付く良さがあるような家を設計したいと思います。

何よりも生活をしながら飽きずにずっと長く暮らしたくなるような家が良いですね。

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